「これだ!」をカタチに

決まり手:押出し

研究開発

「これだ!」をカタチにするためにー
東穂の研究・開発は日々進化しています。

<研究開発事例>

  • 熱膨張防火材
  • 熱伝導性エラストマー異形押出成形品
  • ポリカーボネート樹脂曲げ管(LED用曲管カバー)
  • 後発泡押出成形品
  • エラストマー 粘着剤 同時押出成形品
  • 粘着性エラストマー成形品
  • 蛍光灯型LED照明カバー
  • 2層式TPE製クリーニングローラー
  • 耐震用マット
  • 2層式 高摺動性低硬度ローラー

後発泡技術

《開発STORY》

私たち東穂の『後発泡技術』とは、成形時は固形だが、加熱すると発泡し膨張する技術です。
通常の発泡製品は、「緩衝材」や「防音材」「断熱材」として用いられることが多く、使用形態が限られています。

しかし、私たちの技術力を応用し、熱や時間差を活用すると、今までの使用形態とは違う製品が生まれるかもしれない――― 私には、そんな予感がありました。セッティングした後の環境変化によって発泡し、サイズが変化するのはどうだろう? それができれば、「充填剤」「封止剤」「附形剤」「過熱センサー」等々汎用性は広がるはず。

そんなささいなヒラメキから始まった研究開発が、『後発泡技術』製品です。

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設計ポイントは至極シンプル。

発泡剤の発泡温度未満で成形し、発泡させたい時に発泡温度以上に温度を上げる。
このシンプルな構造を実現させるため、素材を厳選しレシピを完成させました。

早速、お客様に向けてプレゼンテーションを行いました。

「面白いね−!重鎮剤などの応用を検討するよ」と、興味を持っていただいた次の瞬間、
「で、発泡時に発生する圧力はどのくらい?」

え!?
とっさのことに、理論値で話をするしかないと判断し説明しました。
しかし、

「それは理論値だよねー。ダメダメ、実測値じゃないと話にはならんなぁ」

そ、そうですよね・・・。

会社に戻り、情報を収集しながら四六時中考えこんでいました。周りの社員は「仕事しろよっ!」と思っていたに違いありません。発砲時の圧力など、インターネット検索をしてそんな実測データがあるはずもありません。では、どうしたら発泡時の圧力を計測できるんだろう?

そんなある日、ぼんやりとゴミの処理をしていると、あるモノが目に入ってきました。

ひらめいた!

ようやく点と点が線で繋がった瞬間でした。 コレと圧力計をつないだら、測定できるぞ!
そう、そのあるものとは―――“注射器”のことでした。

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計測データ ※測定した圧力値は、FRP(繊維強化プラスチック)などの賦形剤として使用する際に有用なデータとして用いられています。

その後、さまざまなデータを提示し信頼を得たものの、最終的な採用には至ることができませんでした。

しかし、開発者としての信頼は勝ち取れた。

そんな実感を持てた気がしたのです。

結局、製品化し出荷するに至るまで、最初のヒラメキから2年。
現在、『後発泡技術』を活用した製品は、防火用住宅建材や隙間埋め材として、世の中のお役に立っています。

[開発担当:清水雄一]

3Dプリンタ用柔軟フィラメント

《開発STORY》

最近はやりの3Dプリンターは、手ごろな価格帯のものも発売され、関心も高くなってきています。 さまざまな形のものが造型されていますが、フィラメント(プリントアウト時に形成される固形素材)の主流樹脂はABS樹脂やPLA樹脂となっており、どちらも“硬い”感触のプラスチックだなぁと思っていました。

そんなある時、机の上にあったシリコン製のスマートフォン・フォルダーが目に止まりました。 フニフニするこの柔らかい触感・・・

あ!3Dプリンタで、
柔らかいものが造型できるかもしれない!

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しかし懸念されるのは、柔軟性が増すと造形時に上に重なるフィラメントの重みでフィラメントにたわみが生じ、座屈してしまうこと。

座屈しないためにはどうしたらいいのか。

小さな力で押出しできれば座屈しない。そのためには樹脂の流動性が必要。

・・・・・・・・・・・あっ!

こうして、流動性の異なる樹脂をスクリーニングし、設計のポイントをようやくつかむことができました。

そして、2つのタイプのフィラメントが試作品として完成!

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    一つは、既存のABSやPLAと二色造型ができるもの。

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    もう一つは、さらに柔軟性を高くしたもの。

早速サンプルワークを実施しました。
ある程度良好な反応はあったものの、造型の速度が遅いという弱点があり、更なる改良が要求されました。

 

ところが、何度も何度も、改良してみるものの、毎回上手くいかないのです。まれに上手くいく時がある一方、その成功理由がわからないのです。

こうなったら、とにかく何度も繰り返し、テストするしかない。


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何度も何度もテストをするうち、流動性ばかりにとらわれるのではなく、それ以外のファクターで改良する部分があることが見えてきました。

現在では、少しずつ安定性を確保し、テスト販売を行うに至っています。 目下、新たな設計の柔軟性フィラメントを試作開発中です。

[開発担当:清水雄一]

粘着押出成形品

《開発STORY》

既存の押出成形品は、陳腐化が激しい。
そんな問題点を漠然と考えるなか、あるメーカーから粘着性を有するゴム状弾性体素材押出成形品を作ってほしいとの依頼がありました。

当時、私に十分な知識があったわけではありませんでした。

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  • どのような材料を選択すればいいのか?
  • どのような材料をブレンドをすればいいのか?
  • いや、そもそも通常の押出成形機で成形可能なのか?

という、まさにわからないこと尽くしでのスタート。
とにかく、まずは公的な研究機関の助力を受けて、開発を進めることにしました。


材料の情報収集や材料のブレンド試験を繰り返すこと2年。
ようやく粘着素材の押出成形がなんとなくできるようになってきました。

しかし、この案件は時間切れとなってしまったのでした。
とはいえ、めげずに研究をしぶとく重ね続け、ようやく『粘着押出成形品』を既存顧客様や展示会等で紹介することができるようになりました。

すると、こちらが驚くほど、次々と引合いがくるようになったのです。

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材料面では、さらに研究を進め、粘着力の強弱パターンを多数提案できるまでになりました。
また、この粘着素材押出成形技術を徐々に進化させ、『粘着押出成形品』を多数商品化することに成功。

2010年4月には、大阪府に『経営革新事業計画』に認定いただき、今では この『粘着押出成形技術』が、東穂の強みの1つとなっています。

[開発担当:清水正勝]